年50冊小説を読まんとする若輩のblog

それ以上でも以下でもなく。

2018-01-01から1年間の記事一覧

#15「フラニーとズーイ」サリンジャー 村上春樹訳

読み易さ☆☆☆☆☆ 面白さ☆☆☆☆☆ 読む価値☆☆☆☆ エリート一家、グラス家の大学生フラニーと、少し年上の兄ズーイの心の葛藤を描く作品。 フラニーは立ち振る舞いから芸術的なまでに美しい大学生で、所属する演劇クラブで脚光を浴びています。ズーイは中性的な容姿…

#14「宝島」スティーヴンスン 村上博基訳

読み易さ☆☆☆☆☆ 面白さ☆☆☆☆ 読む価値☆☆☆ 「ジキル博士とハイド氏」で有名な英作家、スティーヴンスンの冒険小説。港町の少年が海賊の地図をみつけ、宝探しの船旅に出るというシンプルなストーリー。 古くから児童文学として親しまれていますが、大人が読んで…

#13「クリスマス・カロル」ディケンズ 村岡花子訳

読み易さ☆☆☆☆ 面白さ☆☆ 読む価値☆☆☆ イギリスの国民作家、チャールズ·ディケンズの短編。クリスマスの夜に起こる奇跡の物語。 残酷な取り立てを行う町金融であり、極端な拝金主義者であるスクルージ老人が主人公。誰からも恐れられ、嫌われている彼は自らも…

#12「田園交響楽」ジッド 神西清訳

読み易さ✩☆☆☆☆ 面白さ✩☆☆ 読む価値✩☆☆ 大戦期の仏作家、ジッドの短編小説。生まれつき盲目の少女を引き取り育てる神父の物語。 少女は少女に関心がない祖母と二人で暮らしてきたため、盲目であるだけでなく言葉を理解することもできず、言葉の代わりに鳴き声…

#11「斜陽」太宰治

読み易さ☆☆☆ 面白さ☆☆☆ 読む価値☆☆☆ 太宰治が「人間失格」の1つ前に書いた小説であり、自殺の前年に遺した作品。察していただけるであろうとおり、その作品全体が絶望の匂いで満ちています。 戦後の没落貴族の娘、かず子を主人公とし、結核により死にゆくそ…

定期反省 その①

このブログもようやくレビューが#10まで到達したということで、これまでの反省などしていこうかと思います。 3月が終わってこれまでに読んだ小説は10冊。年50冊を達成するために読んでおくべき冊数は12冊。すでに2冊分遅れてしまっています(汗)。言い訳を…

#10「リバース」湊かなえ

読み易さ☆☆☆☆ 面白さ☆☆☆☆ 読む価値☆☆☆ 映画化された「告白」で有名なミステリ作家、湊かなえさんの小説。「リバース」は昨年ドラマ化されました。 主人公と大学のゼミでの仲間5人は、全員で出かけた旅行中に、その内の1人、広沢を自動車事故で死なせてしまう…

#9「四畳半神話体系」森見登美彦

読み易さ☆☆☆☆☆ 面白さ☆☆☆☆☆ 読む価値☆☆ 湯浅政明監督のもとアニメ化し、「文化庁メディア芸術祭アニメーション部門」で大賞を受賞した、その原作小説です。同賞は1年に1回、その年最も優れていたアニメ作品に贈られる賞で、近年では「君の名は」や「この世界…

#8「暗夜行路」志賀直哉

読み易さ☆☆☆☆☆ 面白さ☆☆ 読む価値☆☆☆☆ 戦前戦後を生きた白樺派の作家で、「小説の神様」と称される志賀直哉さんの代表的な長編。一人称の純文学らしい純文学で、主人公謙作の内面的変化が主軸となっています。実の父ではない父との不和を描いた前編と、不義…

番外「完全版 社会人大学人見知り学部卒業見込」 若林正恭

小説ではなくエッセイなので、番外編のつもりでお届けします。全文蛇足のようなものです。 お笑いコンビオードリーの若林さんが、文芸雑誌ダヴィンチで連載していたエッセイ集。人見知りで自意識過剰な彼が芸能界に揉まれていく姿をコミカルかつ客観的に綴っ…

#7 「舟を編む」三浦しをん

読み易さ☆☆☆☆☆ 面白さ☆☆☆ 読む価値☆☆☆ 出版社の辞書編集部を舞台としたお仕事小説。2012年に本屋大賞を受賞し、アニメ化もされた作品です。 主人公、馬締はその名の通り真面目な男で、少々、というかだいぶ浮世離れした人柄です。スーツはヨレヨレ、髪はボサ…

#6 「砂の女」安倍公房

読み易さ☆☆☆☆ 面白さ☆☆☆ 読む価値☆☆ 世界20数カ国語に翻訳された、安倍公房の名SF小説。 〜以下簡単にあらすじ〜 教師の職についている主人公は、休暇を使って趣味の昆虫採集に出かける。砂丘であれば珍しい虫がいるかもしれないと考え、砂丘とほとんど一体…

#5 「十角館の殺人」綾辻行人

読み易さ☆☆☆☆☆ 面白さ☆☆☆ 読む価値☆☆ 推理小説家、綾辻行人さんのデビュー作。大学生の頃に応募した作品だそうです。 冬の山荘型の推理小説で、外部と連絡が取れず、逃げることもできない状況下で連続殺人事件が起こる話です。 推理小説は他のジャンルの小説…

#4「草枕」夏目漱石

読み易さ☆☆ 面白さ☆☆☆ 読む価値☆☆☆ ※独断と偏見による。 国民的小説家、夏目漱石の初期作品。漱石自らが『小説としては読まれないだろう』と自認する異色な小説。 ストーリーとしては1人の画工、絵描きが人里離れた山村に赴き、俗なものを避けて自身の芸術的…

#3「海賊とよばれた男」百田尚樹

読み易さ☆☆☆☆ 面白さ☆☆☆ 読む価値☆☆☆☆ ※独断と偏見による。 「永遠の0」で一世を風靡した百田尚樹さんの歴史経済小説。昨年映画化されて話題になりました。 永遠の0が第二次大戦中を舞台とし、零戦パイロット、宮部を主人公とした「戦いの英雄」の小説だった…

#2「赤と黒」 スタンダール著 小林正訳

読み易さ☆☆☆☆ 面白さ☆☆☆☆ 読む価値☆☆☆☆☆ ※独断と偏見による。 1831年のフランスで発刊された恋愛小説です。 百姓のせがれとして生まれた主人公ジュリヤンが、その人並み外れた野心と才能から貴族社会に入り込み、あまつさえ自分が仕える主人のご令嬢と恋仲に…

しれっと下方修正。

『年100冊小説を読む』 計算するとおおよそ3日に1冊ペース。 「なんとかなるっしょ!」と思っていたものの、既に9日、まだ1冊、ただよう企画倒れ感。 …いや、読んではいるんですよ?ただ、今読んでるのが上下巻800ページ超の海外文学でして、まだ上巻しか読…

#1 「六番目の小夜子」恩田陸

読み易さ☆☆☆ 面白さ☆☆ 読む価値☆☆☆☆ ※独断と偏見によります。 恩田陸さんのデビュー作であり、一度は絶版となりましたが再評価され、彼女を作家として有名にした作品です。 ストーリーは、ある高校の独特な風習であり、都市伝説である「サヨコ伝説」を軸とし…

概要、もとい決意表明

あけましておめでとうございます。新社会人の「ばね」と申します。 さて、『一年の計は元旦にあり』といいますが、皆様はこれがどのような意味のフレーズかご存知でしょうか? goole先生によると、 “一年の計画は年の初めである元旦に立てるべきであり、物事…